入学準備のスケジュールから、学習・生活環境の整え方、小学校で必要な準備物まで。
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今回のテーマは、「入学準備のポイント:家庭でできる生活習慣」です。
来春小学校に入学予定のお子さまを持つ保護者は、子どもの成長に喜びを感じるとともに、「うちの子、小学校で大丈夫かしら?」と不安に思われているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は親野智可等先生に、家庭でできる入学準備についてお話を伺いました。
あいさつ、返事、相手の目を見て聞く・話す
編集部 保護者のかたから「小学校入学前に身に付けておいたほうがよい生活習慣は?」という質問をいただきます。ポイントとなることがあれば、ぜひ教えてください。
親野先生 あいさつ、返事、相手の目を見て聞いたり話したりするのは、コミュニケーションとして基本的、普遍的なことですね。日頃の親子のコミュニケーションによっても違ってきます。まずは、親御さんが良いあいさつをすることが大切です。そして、子どもが元気にあいさつができたらきちんと誉(ほ)めてあげる。
良い返事ができるかどうか、これは練習することができますね。お父さんが先生役になったりして「1年1組●●さん」「はい」と、ロールプレイングしてみるのもいいのではないでしょうか?
洗顔、歯磨き、手洗い・うがい、身だしなみも大切
親野先生 洗顔・歯磨き・手洗い・うがいをして身だしなみを整えるというのも大切なことですね。もし、なかなかできるようにならない場合は、カードを使って遊び感覚で繰り返し行うという方法をおすすめしています。必ずしもカードでなくてもよいのですが、やるべきことを目に見える形にして、ホワイトボードや目に見えるところに貼っておく、というのがポイントです。
たとえば、「家に帰ってきたらやるべきこと」を絵にしてカードにする。手洗い・うがいカード、帽子をフックにかけるカード、お茶わんを流しに持って行くカード等を作っておいて、できたら、ニコニコ磁石を貼るとか、花丸カードを貼ってあげる。やるべきことと流れが見えるようにすると効果があるんですね。
後片付けは時間を決めて!
親野先生 あと大切なのは後片付けですね。おもちゃで遊んだら片付けるとか、服を脱いだらたたむとか。時間を意識してなんとかする。
編集部 お片付けについての悩みは、よく保護者からもいただきます。「いつまで経っても片付かない」とか「ますます散らかしているみたい」とか。どうしたらできるようになるでしょうか?
親野先生 片付けが苦手な子には、お片付けタイムを決めてあげるとよいですね。たとえば5時15分になったらタイマーでセットしておいた音楽が流れるようにして、それを合図にお片付けタイムを3分~5分取る。
もともと片付けが得意な子は時間を取らなくてもできるんです。でも、できない子もいる。できない子でも、時間を取ってあげればできるんです。とにかく時間をとる。そして、できたら誉める。「自分でお片付けできるね」と誉めてあげる。
もうひとつ、片付けが苦手な子にしてあげられることは収納の工夫ですね。できるだけ簡単に片付けられるようにしてあげる。子どもの力でも簡単に開閉できる収納にしたり、収納ボックスにラベルを貼ったりなど。ふすまを全部外して、収納ボックスにカラフルなラベリングがあったりするとお片付けも楽しくなるでしょう。子どもでも簡単にできるように、環境とシステムを整えてあげて、そしてやっぱり誉めてあげる。
小学校入学前後で大きく違うのは時間感覚
編集部 保護者のかたからも「うちの子、何をするのも時間がかかって……」という声をよく聞きます。時間を意識して行動できるようになる秘訣のようなものはありますか?
親野先生 マイペースな子っていうのはいます。マイペースな子のペースを変えるのは正直なところ難しいですね。はっきり言って直すのは無理。わたしは何事をするにも妻の2倍の時間かかるんです。あるとき2倍速でやってみようと思って試したけど、やっぱり落ち着かない。人間のペースって持って生まれたものなので、大人になっても変わらないんです。ましてや子どもは変わりません。
マイペースな子を学校に行って遅いと困るからって変えようとすると、その子にとってはすごいストレスなんですよ。弊害が出る可能性もあります。髪の毛をかきむしったり。ペースについてはあまりうるさく言わないほうがいいですね。意外とそんなに困らないし。学校に入っちゃえば何とかついて行くようになるんです。どうしても練習したい場合は、タイマーやストップウオッチ、砂時計などを使って、何分でできるか競争してみる。多少はがんばってみて、あとは目をつぶることも必要かもしれませんね。
マイペースな子というのは、実は親が思うほど困らないんです。癒し系の子が多いので、友達が手伝ってくれてなんとかなるんです。子ども同士で助け合いますから。
それでも心配な場合には、親御さんが先生に言っておくといいと思いますよ。「うちの子、いつもマイペースでご迷惑おかけします。うちでもがんばってるんですけど……」 実は、これがすごく大事なんです。「うちでもがんばってるんですけど……」と言っておくと先生も安心なんです。「そうなんだ、がんばってるんだ」ということを知ってもらうことは大事なことです。
先生が困るのは、親御さんが果たして子どものことをわかっているのかわかっていないのか、がわからないこと。心配というか不安なんですね。そこで、先生に一言伝えておくと「わかっていて努力しているんだから」と大きな心で見てくれるようになる。最初に先生に言っておく……。これはオススメですね。
親野智可等
教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。
ランドセルコンシェルジュ🄬
「私たちランドセルコンシェルジュ🄬は、全国に15店舗あるセイバンの直営店で、お客さまのランドセル選びのお悩みを解決しながらランドセル選びをサポートしています。
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セイバンの厳しい社内研修・認定試験をクリアした、プロのアドバイザーです。」
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