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今回のテーマは、教育評論家に聞く「金銭感覚、数の勉強、コミュニケーションなど、おつかいは学びのチャンスにあふれている!」です。
お子さまが成長し、ひとりでできることが増えてくると、「そろそろ『おつかい』をさせてみようかな?」と考える保護者のかたも多いと思います。
おつかいには届け物や郵便物の投函などいろいろありますが、その中でも実際にお金を扱う「買い物」は、お子さまが「金銭感覚を養える」「数の概念を身につけられる」といった教育的なメリットがあります。
今回は、このようにお金の教育や社会勉強にもなる「買い物」について詳しくご紹介します。
おつかいは、いつからさせるべき?
はじめてのおつかいをさせるのに適したタイミングは、地域の状況やお子さまの個性などによってさまざまです。これが正解というタイミングはありません。
しかし一般的には、0~1歳は「五感を使って確かめる時期」、1~3歳は「保護者のかたがお手本になる時期」、3歳からは「社会に出ていくきっかけをつくる時期」とされています 。2歳くらいになると買い物ごっこで遊ぶお子さまも多いですが、それが3歳を過ぎると、実際に外の世界でもやってみたいという興味を抱くようになるのです。
とはいえ、テレビ番組のように3歳でいきなり買い物にひとりで行かせることはやめましょう。番組では大勢のスタッフが陰で見守っていますが、現実には危険がたくさんあり、それから守ってくれる人がいるわけではありません。
おつかいの第一歩は「お手伝い」です。まずはご家庭内で「玄関から新聞をとってきて」「あっちの部屋からじゃがいもを3個とってきて」などから始めてみましょう。
買い物のおつかいで学べることは山ほどある
お子さまにとって「ひとりでできた!」という達成感、そしてそれを保護者にほめてもらえることは、とてもうれしいものです。買い物に限らず、お子さまはおつかいをすることで自信をつけたり、自己肯定感を高めたり、責任感を養ったりすることができます。
その中でも買い物のおつかいには、次のような「学び」のチャンスがたくさん詰まっているのです。
数の概念が身につく
買うものの個数やそれぞれの商品の値段、合計金額など、買い物をするときはたくさんの数を扱います。小学2~3年生になると3桁や4桁の足し算・引き算も学習しますが、千を超えるような大きな桁の数は日常ではなかなか実感しにくいものです。それを、買い物では「トマト1袋とお肉で1,200円なんだ」といった具合に身近なものとして捉えられるでしょう。
金銭感覚を養える
小学2年生くらいから、買い物の支払いまでお子さまに任せてみてもいいでしょう。まだ自分で金額を計算するのは難しいかもしれませんが、ちょっとしたおつかいで扱うくらいの金額なら、数の大小などが把握できてくる年頃です。
最近では、電子マネーやクレジットカードで支払いをするかたも多いですが、お子さまにはまず実物のお金を使わせる方がいいでしょう。紙幣と硬貨ではどちらに価値があるか、お金がどうやりとりされるかといったことは、カードではわかりません。
また、例えば1,000円札を持たせたら、お子さまはこの1,000円以内でどれだけのものが買えるのか考えます。そうやって金銭感覚を養うことができるのです。
家族やお友だち以外の人とのコミュニケーション
スーパーマーケットでもコンビニエンスストアでも地元商店でも、買い物をするには店員さんとやりとりをする必要があります。支払いのときだけでなく、商品の置き場所や種類などわからないことを尋ねることもあるでしょう。
このように、買い物を通じて家族や先生、お友だち以外の人とコミュニケーションをとる術を身につけることができます。
まずはスーパーマーケットで「部分的なおつかい」から
おつかいというと「ひとりでするもの」とイメージしがちですが、最初からひとりにする必要はありません。保護者のかたが一緒にいるときの「部分的なおつかい」から徐々に慣れさせるといいでしょう。
例えばスーパーマーケットに一緒に行って、「食パンを1袋持ってきて」とお願いします。それができたら、次は「500円で買えるお肉を探してきて」「サラダに使うお野菜と牛乳をレジまで持ってきて」といった具合に、徐々にお願いを難しくしていきます。ひとつ達成できたら、その都度、たくさんほめてあげてください。
広いスーパーなら、保護者のかたも店内の遠くからこっそり見守ることができます。これに慣れたら、商店街などに範囲をひろげてみてもいいでしょう。こうして慣らしていけば、いずれはお子さまひとりでも安心して買い物を任せられるようになるでしょう。
いかがでしたか?
はじめてのおつかいには不安もあるでしょうが、おつかいはお子さまの学びの宝庫です。多少の間違いには目をつぶり、感謝の言葉とほめてあげることを忘れないでください。そうすればお子さまも達成感を味わい、楽しい学びの機会となることでしょう。
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